今日で3月も終わり、明日からは新年度が始まります。
新入生・新社会人として新しい生活を始める方もいらっしゃると思います。
またそれを迎え入れる側にとってもそれを支える家族にとっても、新しい出会いがあり新たな挑戦の始まりでもあると思います。
そこで今回は人生の旅、旅立ちなど、旅にまつわる名言をご紹介したいと思います。
旅の始めはこの言葉からです。
『広い空の下、広い海に出てみましょう。』
さかなクン(魚類学者)
子どもにもわかる平易な言葉ですが、口にするだけで心が開放されるようなのびやかさがあります。
海(魚)への愛情と深い知識をもつさかなクンの言葉だからこそ響くのかもしれません。
『旅というのは、時間の中に純粋に身を委ねることだ。』
福永武彦(作家)
旅は行先も大事ですが、「どのように過ごすか」ということも大きなポイントです。
みなさんにとって最高の旅とはどんな旅でしょうか。
『幸運な人とは、旅の理由を忘れて、星や、花や、空に、心奪われる者のことである』
アントニオ・マチャード(詩人)
旅先に限らず、目の前の景色や自然の美しさに素直に夢中になれることは幸せなことだと思います。日常のあれこれが頭の片隅をいつも占拠している現代人にとってはなかなか難しいことかもしれませんが。
『発見の旅とは、新しい景色を探すことではない。新しい目をもつことだ。』
プルースト(作家)
新しい環境に身を置くと見えている景色も変わってくるものです。そして様々な出会いや出来事によって新しい見方、考え方ができるようになっていくのです。
新しい景色に甘んじることなく、そこでしか得られないものを身につけていけたらすばらしいことだと思います。
『知恵は与えられるものではない。
避けては通れない、誰にも代わってもらえない旅路の果てに、自分で見つけなければならない。』
プルースト(作家)
人生はよく旅にたとえられます。みなさんの旅路は山道でしょうか、草原でしょうか、町中の道路でしょうか。
教科書には載っていない“知恵”という宝物をそれぞれの道で見つけていくのですね。
『旅(じんせい)の目的はやがてわかる。
粗い写生(クロッキー)が下絵(エスキス)になり、
やがて完成した絵(タブロー)になるように』
ゴッホ(画家)
小さい頃から何になりたいかはっきりしていてその道を邁進していく生き方は憧れますが、そうでない人が大多数なのではないでしょうか。ゴッホも紆余曲折があり画家になった後も、迷い苦しみながら絵を描き続けました。
自分がどんな絵を描きたいのかわからなくても、とにかく生き続けて線や色を重ねていけば、やがてそれは姿を現す、だから迷っても進み続けよう、と励まされる言葉です。
どんな絵が完成するか楽しみにするような気持ちで新しい日々を過ごしていけたらよいですね。
『月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也。』
松尾芭蕉(俳人)
日本文芸史上屈指の名文、『奥の細道』の序文です。
月日は永遠に終わることのない旅をする旅人のようなもので、去ってはまたやってくる年もまた旅人のようなもの―目に見える天体の月と太陽が昇っては沈む様子は想像しやすいですが、目に見えない時間である「年」も旅人だ、と言ってしまうところがこの文章の醍醐味です。
この後に続く文章の中で芭蕉の抑えきれない旅への憧れの気持ちが綴られます。
「旅をしたい」「どこかへ行きたい」という気持ちは、まだ見ぬ世界を知りたい、体験したい、という誰もが持っている本能なのかもしれません。
「さあ、行きましょう」と旅立ちの背中を押してくれるような希望の込められた言葉です。
最後は有名な門出の言葉(詩)です。
『この盃を受けてくれ どうぞなみなみつがしておくれ
花に嵐のたとえもあるぞ さよならだけが人生だ』
訳詩 井伏鱒二(作家)
唐代の詩人・于武陵(うぶりょう)の詩「勧酒」を井伏鱒二さんが訳したものです。
友人との別れに際して酒を勧める詩ですが、「別れを惜しむ詩」とする以外にも「いつ別れの時が来るかわからないから、今を大事にしよう」という解釈もあるようです。
「花に嵐」といわれると、桜の花が散っていく別れの季節のイメージが浮かび、とても日本的な香りのする訳だなと思います。
「さよならだけが人生だ」―少し投げやりにきこえてしまうでしょうか。いろいろな感じ方ができると思いますが、潔くてすがすがしい、また力強く励ます門出を祝う言葉だと感じます。
どうかみなさまの門出(新しい日々)が素晴らしいものになりますように。
ワークステーション静岡 T