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2020/1の情報発信ブログのブログ

コレステロールの正体と動脈硬化を防ぐ食生活②

今回は前回の続きで、食事療法について詳しく見ていきます。

⑦食事療法8つの基本

1.食べすぎをやめて食事の量を適正にしましょう

必要エネルギー量を知り食べる量を守るためには、まず自分の標準体重を知りましょう。

標準体重は病気の発生率が男女とももっとも少ないとされるBMI(体格指数)22を使って算出します。

次に〈基礎代謝量×身体活動レベル〉で1日の適正エネルギー量を計算してみましょう。

計算式はこちら→http://www.tounyou.tank.jp/38.html

 

2.栄養バランスのよい食事をとる

食事量を守ることが意識できたら、次に重要なのが「質」です。

理想の比率は  たんぱく質:脂質:炭水化物(糖質+食物繊維)=2:3:5 です。

炭水化物や脂質をとりすぎると血糖値が上昇し血中の脂質が増え、動脈硬化につながります。

 

3.何をどのくらい食べるか?(1日にとりたい食品)

次の3つのグループの食品を(1)→(2)→(3)の順にとることが健康的にやせる原則です。

(1)筋肉成分

たんぱく質を多く含む食品:肉・魚・大豆製品・卵・乳製品など

・肉は脂身の少ない部位を選んで。

・乳製品はカルシウム源として。

(2)代謝を活発にする成分

ビタミン・ミネラル・食物繊維を多く含む食品:野菜・きのこ・海藻類など

淡色野菜(キャベツ・玉ねぎ・大根・きゅうりなど)230g以上緑黄色野菜(ほうれん草・にんじん・トマト・パプリカなど)170g以上をとるのが望ましい。

      

(3)エネルギー成分

炭水化物を多く含む食品:穀類・いも・豆・砂糖・果物など

脂質を多く含む食品:油脂など

○まず肉や魚などでたんぱく質をとってしっかりした体をつくり、ビタミンやミネラルを野菜や海藻などでとり体に余分なコレステロールが入るのを防ぎ、最後に炭水化物のごはんなどの量でエネルギーを調整するのがベストです。

 

4.油脂は「質」を見極めて賢くとる

脂肪酸(油の性質を決めるもの)は3つのグループに大別されます。

飽和脂肪酸」・・・バター・ラード・生クリームなど

LDL-コレステロールや中性脂肪を増やし、動脈硬化を起こす原因になる

 

一価不飽和脂肪酸」・・・オリーブ油・キャノーラ油など

LDL-コレステロールだけを減らすので、調理用の油として使うとよい

 

 

多価不飽和脂肪酸」・・・サラダ油・ごま油・あじ・いわし・さんまなど

酸化されやすい欠点がある

 

○飽和:一価不飽和:多価不飽和=3:4:3でとるのが理想的です。たとえば飽和脂肪酸はコレステロールを増やしますが、不足すると血管がもろくなったり貧血になったりというマイナス面もあります。バランスよく摂取する必要があるのです。

 

5.魚の油は逃さない!肉は脂肪を落とす!

・メインのおかずは肉より魚を優先しましょう

→青背の魚に含まれるEPAやDHAは血栓をつくりにくくする働きがあります。LDL-コレステロールを増やす肉に比べて消化も良くエネルギーも低いのでおすすめです。

・魚の油は酸化しやすいので新鮮なうちに調理して食べましょう

→刺身やホイル焼き、缶詰も強い味方です。

・牛肉・豚肉はひれ肉やもも肉、鶏肉は胸肉やささみを選びましょう

(鶏胸肉は皮を除いて調理すれば脂質をカットでき、エネルギー量を半分にできます)

・フッ素樹脂加工のフライパンやオーブン・電子レンジを利用すると調理の油をカットできます

6.薄味を心がけておいしく減塩する

血圧が高くなると血管に相当の負担がかかります。

1日にとる食塩は8~10g(高血圧の人は6g)に抑えましょう。

→塩分の高い汁物は1日1回にして、かわりにお茶などを種類多く楽しみましょう

→食塩のかわりに香辛料や香味野菜、酢や天然だしなどを使って塩分を減らしましょう

 

7.抗酸化力と食物繊維がカギ

野菜・海藻・きのこは毎食とりましょう

→動脈硬化にはコレステロールの酸化が大きくかかわっていますが、野菜には酸化を防ぐ力があります。また血液の流れをよくする働きもあります。

→水溶性食物繊維はコレステロールを吸着して体外へ出し、血糖値の上昇も抑えてくれます。

→海藻・きのこ類は低エネルギーでミネラル・食物繊維が豊富です。意識してたくさんとりましょう。

8.コレステロールの多い食品は適量とる

→食品から取り入れられるコレステロールは2割ほどなのでコレステロールの多い食品を頻繁に食べるのでなければ気にしすぎることはありません。

→卵はコレステロール値は高いですが、良質なたんぱく源として適量をとるのが望ましいといえます。卵に含まれているレシチンは血管壁にコレステロールがこびりつくのを防ぐ働きもあります。

 

☆番外編:外食を上手にいただく

外食は何をどう選んでどう食べるかがカギです。

丼物やチャーハンなど一皿メニューは糖質・脂質・塩分が多いので主菜・副菜・汁物がそろった定食を選びます。いずれにしても外食をしたら前後の食事量を軽くして、1日のトータルでエネルギー調整するのが鉄則です。

ポイント①和食メニューは塩分に要注意

→刺身定食:刺身は低エネルギー・低脂肪ですが、食物繊維がとりにくく塩分が多くなりがち。副菜に野菜のあるものを選び、漬物は残しましょう。

→焼き魚定食:塩分多めなので漬物を残し、汁物も1/3は残すなど調整しましょう。

ポイント②揚げ物・炒め物メニューは残して調整

→とんかつ定食などは高エネルギーなので2~3枚までにし、ごはんも少なめに。みそ汁は具は全部食べて汁は少し残しましょう。

→中華メニューはできるだけ野菜を多種類使った魚介メインのものを選びましょう。

ポイント③おにぎりやサンドイッチは不足しがちな野菜を追加

→おにぎりは塩分が多いので副菜は即席みそ汁ではなく、サラダを選びましょう。鮭やツナなどたんぱく質が入ったものを選び、サラダやヨーグルトなどを補うとバランスが良いです。

→サンドイッチは案外高エネルギーです。野菜が入っているものを選び、カツサンドならば少し残しましょう。野菜ジュースや牛乳などをプラスするとバランスが良くなります。

 

ポイント④麺メニューは野菜がたっぷり入ったものを

→ラーメンなら野菜がたくさん入ったタンメンや五目そばなどを選び、塩分が多いので汁は1/3量残して減塩をしましょう。

→うどんよりそばがおすすめです。そばは食物繊維、ビタミン・ミネラルが豊富で抗酸化作用もあり、山菜+卵、とろろ+卵、おろし+納豆などがたんぱく源と野菜が同時にとれてよい組み合わせです。汁は飲まないようにしましょう。

 

(参考文献:白井厚治他著『コレステロールを下げるおいしいレシピ』/ 寺本民生監修『コレステロール 減らそう悪玉 増やそう善玉』)

 

コレステロールは必要なものでもあり、一方摂りすぎると大変厄介なものであることがおわかりいただけたと思います。漫然とダイエットに取り組むのではなく、コレステロールのことを理解した上でご自分に必要なことを取り入れて続けていっていただければと思います。

 

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コレステロールの正体と動脈硬化を防ぐ食生活①

健康診断の結果、「コレステロール値が高い」と言われて気になっている方も多いかと思います。一方でコレステロールの正体や数値を下げる食生活などについて、意外と知らないことも多いのではないでしょうか。

今回は2回にわけて「コレステロール」について見ていきましょう。

 

①コレステロールのもつ2つの顔

コレステロールは中性脂肪などと同じ「脂質」の仲間ですが、“悪いもの”というイメージが先行してしまいがちです。コレステロールの正体を見ていきましょう。

○良い面:体をつくる材料になる

・人の体に60兆個ある細胞の1つ1つを覆う細胞膜の材料です(不足すると血管が破れやすくなったりします)

・神経細胞や脳をつくる材料の約6割を占め、ホルモンや消化液の材料にもなります

×悪い面:増えすぎると血管の老化が進む

・動脈硬化を促進し、「動脈硬化性疾患(脳梗塞や心筋梗塞など)」の危険因子になります

つまり、コレステロールは体を維持するために必須ですが、コレステロール値を基準値内にすることが必要といえます。

 

②悪玉(LDL-コレステロール)と善玉(HDL-コレステロール)の違い

下図は体内をめぐるコレステロールの動きを表したものです。

コレステロールが蓄えられている肝臓から各細胞に新品のコレステロールが配送され、使い古されたコレステロールは回収されて再び肝臓に戻されます。

このコレステロールを配送する船がLDL、回収する船がHDLで、のっているコレステロール自体は同じ物質です。

LDLが悪玉といわれてしまうのは、「増えすぎると血管の壁を傷つけ、動脈硬化のきっかけをつくってしまうから」です。

HDLは動脈の壁に入り込んだコレステロールも引っ張り出して回収するので、HDL‐コレステロールが多ければ余分なコレステロールがしっかり回収されていることを示します。

LDLとHDLがバランスよく流通していることが大切なのです。

 

③動脈硬化の3つの段階

次にコレステロール対策を考えるうえでも重要な動脈硬化の進行過程を見てみます。

〈第1段階〉

・LDL‐コレステロールが増えすぎると血管の壁が傷つき、そこからLDL-コレステロールが入り込む

→引っ張られるようにして「単球」という白血球も血管壁の中に侵入する

→単球が「マクロファージ」という掃除屋に変身し、入り込んでくるLDL-コレステロールを食べる

→お腹いっぱいになったマクロファージが集合しコレステロールのかたまり「アテローム」ができ始める

 

〈第2段階〉

・アテローム中のコレステロールが酸化され「オキシステロール」という毒性の強い物質に変化する

→炎症が起こり、周辺の組織が腫れたりくずれたりする

→炎症が続くと、血管の中膜から血管平滑筋細胞が移動してくるため、血管壁が厚くなり、血管の通り道が狭くなる

 

 

 

 

〈第3段階〉

・炎症が慢性化するとアテロームを覆う被膜が薄くなり、マクロファージが出すたんぱく分解酵素により内膜に潰瘍ができる

→潰瘍に血小板が集まって「血栓」というかさぶた状のものをつくる

→血栓が急激に大きくなり、心臓や脳に栄養を運べなくなって心筋梗塞や脳梗塞を発症する

 

 

 

このように、動脈硬化は酸化と炎症による血管の老化であるということができます。

 

④コレステロールはこうして増える

体に必要なコレステロールの2割は食事から摂取され、8割は主に肝臓で合成され、どちらも肝臓に一時的に貯蔵されます。

増え方その1:食べすぎや運動不足が続くと、コレステロールの量を調整する(合成と摂取のバランスをとる)力が追いつかず、余分なコレステロールができてしまいます

増え方その2:内臓脂肪型肥満の人は、肥大した脂肪細胞から脂肪酸が放出され、これを原料としてコレステロールの合成が加速します

 

⑤コレステロールに注意の必要な年代

それではここで、コレステロールの影響を受けやすい年齢について少し触れたいと思います。

中年男性とコレステロールの関係

中年男性の約半数に脂質異常症があるといわれています。動脈硬化性疾患になりやすい状態に対して、仕事上のトラブルや長期間にわたるストレスなどの負荷が加わると、病気や過労死につながりやすいので注意しましょう。

更年期からの女性とコレステロールの関係

女性ホルモンにはLDL‐コレステロール値を下げHDL-コレステロール値を上げる作用があります。このため女性は更年期を迎えるころから脂質の値が大きく変化し、冠動脈疾患(狭心症と心筋梗塞)の危険性が高くなるので注意しましょう。

高齢者とコレステロールの関係

加齢そのものが冠動脈疾患の危険因子であり、65歳以上の人では総コレステロール値が高くなるほど発症率も高くなります。また脳梗塞は寝たきりの大きな原因になるので、予防はとても重要です。

 

⑥LDL-コレステロール値を下げるには

減量して内臓脂肪が減ると、まず中性脂肪値が下がり、続いてLDL-コレステロール値が下がります。

減量の2本柱は「食事療法(後述)」と「運動療法」です。

運動療法

食事療法だけで減量しようとすると、体脂肪だけでなく筋肉も減るため、運動療法で筋肉の維持・増強をする必要があります。また運動療法には善玉のHDL-コレステロール値を上げる効果もあります。

下図の3種類を組み合わせた運動療法を行うと、エネルギー燃焼率の高い質のいい筋肉がつきます。

有酸素運動:酸素を取り込みながら軽く汗ばむ程度で行う全身運動(ウォーキング・ジョギング・水泳・サイクリングなど)

ストレッチング:運動や日常動作により疲れた筋肉を伸ばし、たまっている疲労物質の排出を促す

筋肉トレーニング:筋力や基礎代謝量が向上し、余分な脂肪がつきにくくなる。一日おきに行うのが効果的(スロースクワット・片足立ちなど)

(参考文献:白井厚治他著『コレステロールを下げるおいしいレシピ』/ 寺本民生監修『コレステロール 減らそう悪玉 増やそう善玉』)

 

次回はコレステロールが気になる方のための食事療法について詳しく見ていきます。

 

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飲酒後のアルコール体内分解の目安

1月13日は成人の日でしたね。

新成人の皆さん、成人おめでとうございます。

地元にある富士宮浅間大社では、華やかな晴れ着姿の方をお見掛けしました。

同窓会や新年会に参加する方も多い時期ですね。

久しぶりの再会や、気心の知れた仲間との時間は楽しく、ついお酒が進んでしまいます。

普段、業務のなかで、こんな質問をされることが多いです。

「この薬は、お酒飲んでも大丈夫ですか??」

さすがに、“お酒で薬飲んでも大丈夫ですか?”と聞かれることはないですが、どれくらい間隔をあければ良いか気にされる方は多いです。

ここでは、アルコール摂取後、どれくらいの時間で体内から抜けるのか説明させていただきます。

ただし、性別、年齢、体格、分解酵素の能力差、体調、状況によってもアルコールの代謝は変動しますので、あくまで目安として捉えて下さい。

あくまで目安ですが、「体重(㎏)×0.1=1時間に分解できるアルコール(g)」とされています。

例えば、体重70㎏の方は70(㎏)×0.1=7.0(g)、1時間に分解できるアルコールは7.0gとなります。

アルコール度数15%前後の日本酒1合をアルコールの量に換算すると、約20gと言われています。

つまり、体重70㎏の方が日本酒1合代謝するには、20÷7.0=2.86時間、約3時間以上が目安となります。

ちなみに、厚生労働省推進の21世紀における国民健康づくり運動「健康日本21」によると、1日平均アルコール量は20gが適量といわれておりますので、こちらも覚えておいて下さいね。

このアルコール量20gを各種アルコール飲料に換算すると下記になります。

 

・アルコール度数5度のビール、缶チューハイ→ 500ml(中瓶1本)

・アルコール度数15度のワイン→ 180ml(1/4本)

・アルコール度数25度の焼酎→ 110ml(ロックで0.6合)

・アルコール度数40度のウイスキー→ 60ml(ダブル1杯)

換算した計算式は、「アルコール含有量(g)=飲酒量(ml)×アルコール度数(%)×0.8(アルコール比重)」となります。

では、体重70㎏の方が下記の量を飲酒した際、体内でアルコール分解するにはどれくらいの時間を目安とするべきでしょうか?

アルコール度数5度のビール 1000ml、アルコール度数15%の日本酒1合

ビール分のアルコール含有量:1000ml×0.05×0.8=40g、日本酒分のアルコール含有量:20g アルコール含有量合計は60gとなります。

体重70㎏の方が1時間に分解できるアルコールは目安として7.0gでしたので、体内でアルコールを分解する時間は、60g÷7g=8.57時間、約8時間半以上となります。かなりの時間を費やしますよね。

また、前述でも触れましたが、アルコール分解能力には大きな個人差があります。

幾つかご紹介させていただきます。

 

・体重が重い人ほど、分解が早い

→アルコールは90%が肝臓で代謝され、体重が重い人ほど肝臓が大きい傾向にあります。

 

・男性は、女性より分解が早い

→体格の違い以外にも、女性ホルモンによる影響もあります。

 

・食後は、空腹時より分解が早い

→胃に溜まった食物がアルコールの胃壁への吸収を緩やかに。豆腐や枝豆といったタンパク質や脂質の多いものが勧められています。

 

・顔が赤くならない人は、赤くなる人より分解が早い

→体内に入ったアルコールはアセトアルデヒドに分解されます。このアセトアルデヒドの作用で顔などの毛細血管が拡張され、顔などが赤くなります。

そして、このアセトアルデヒドが原因で二日酔いにもなっているのです!!

顔が赤くなる、赤くならない、二日酔いにならない、なりやすい人の差はこのアセトアルデヒドを分解する酵素が影響します。この酵素活性の強弱は遺伝的要素や人種差が大きいとされています。

 

以上、簡単ではございますが、アルコール摂取後の体内分解時間について説明させていただきました。

そして、薬を飲むときにお酒と一緒に飲むのは厳禁ですが、運転も絶対にダメですよ!

今回お伝えした目安となる体内分解時間が経過していたとしても、ボーッとする、景色がぼやけるなどアルコールが抜けていないような状態であれば、運転は絶対に控えて下さい。

お酒だけでなく、暴飲暴食を控えて、体調管理に気をつけていきましょう。

エムハート薬局では、健康相談も受け付けています。

病院にかかるほどではないけど、なんとなく不調・・・という時でも、お気軽に薬局へお立ち寄りください。

 

静岡東支店 K

 

 

健康目標の立て方~健診結果をよむ

新しい年が始まり、みなさんは今年の健康目標を立てたりされたでしょうか。

何か始めたいけれどイマイチ何を目標にすればよいかわからない、という方は健康診断の結果を参考にしてみてはいかがでしょう。健診結果の中にはみなさん自身の有用な健康データが詰まっています。

今回は健診結果のよみ方を解説し、健診結果を有効に活用するお手伝いをしたいと思います。

 

①健診結果の見方

・一つの検査項目が異常値を示しても病気だと診断できるものではありません。種々の検査結果の「総合判定」をまず目安としましょう。

・測定方法や測定機器、測定機関などによって測定値や基準値も異なります。別の医療機関の間で検査結果を比較する場合には注意が必要です。

・各検査の目的や基準値・異常値の意味を理解しておく必要があります。

それでは主な検査からわかることと基準値の考え方について解説していきます。

 

〈主な検査項目〉

検査からわかることをおおまかに把握しておくと、健診結果がぐっとよみやすくなります。

 

血圧:高血圧・低血圧がわかります。高血圧は脳卒中や心筋梗塞の重要な危険因子の一つです。

心電図:心臓のリズム(不整脈の有無)・心臓の筋肉の病気(心肥大・狭心症・心筋梗塞など)がわかります。

 

 

 

〇血液

白血球数:細菌やウイルスなどに感染していないかがわかります。

赤血球数・ヘモグロビン・ヘマトクリット:貧血の有無がわかります。

 

 

〇糖代謝

空腹時血糖:糖尿病の診断に必須です。

〇脂質

中性脂肪:動脈硬化のリスクです。メタボリックシンドロームの診断基準として重要です。

総コレステロール:脂質代謝異常の重要な指標です。肝臓・腎臓の病気や糖尿病の状態によっても影響されます。

HDLコレステロール(善玉コレステロール):心筋梗塞や脳梗塞といった動脈硬化が原因として起こる病気のリスクの目安です。数値が低いほど発症するリスクが高くなります。

LDLコレステロール(悪玉コレステロール):心筋梗塞や脳梗塞のリスクの目安です。数値が高いほど発症するリスクが高くなります。

〇肝機能

AST(GOT)、ALT(GPT):急性肝炎、慢性肝炎、肝障害、筋肉の病気などがわかります。

γ-GTP:急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変などがわかります。

〇腎機能

クレアチニン:腎機能障害の指標で、腎機能が低下すると値は上昇します。

〇呼吸機能

胸部X線:肺の病気(肺がん、肺結核、肺炎など)の診断に有用です。

〇消化器系

上部消化管X線検査(バリウム検査):上部消化管内腔面の凹凸の違いから異常所見(がん、潰瘍など)の有無がわかります。

 

 

〈数値の見方〉

検査の基準値は一般に健康であると考えられる人々の年齢や性別に相応した平均的な数値です。

検査値には個人差があり、朝と晩、季節、その日の体調、ストレスなどによっても微妙に変化するので、細かい数値にあまり神経質になる必要はありません。

また、いつも基準値より少し高めを示す項目があり今回も高めという場合はあまり心配いりませんが、同じ値でも前年の値と比べて大幅に高くなっているという場合は要注意です。つまり被検者自身が健康な時に示す健常値を基準にして高いか低いかなど判断するのがより良いと考えられます。

☆「基準範囲」と「臨床判断値」

専門医にかかられている方で、先生に言われている目標数値と健康診断の基準値が違うなあと感じておられる方も多いかもしれません。

これは健診で用いられる「基準範囲」が健常人から得られた検査値を多数集めて、その分布の中央約95%の範囲をとったもので、治療の目標などを考慮して作成されたものではないからです。

治療の現場で使われるのは「臨床判断値」といって、疫学的調査(何かの病気の人を長期的に調査・分析し、その原因を探り、病気を予防することを目的とする調査)に基づいたもので、将来において病気の発症が予測され、予防医学的な対応が求められる数値なのです。

 

②検査結果を健康に生かすために

せっかく受けた健診の結果を日々の健康につなげていくために大切なことをまとめてみましょう。

〇健診は毎年欠かさず受け、結果は必ず保管しておきましょう

→検査結果は1回だけの数値ではなくその経過を見ることがより大切です。前年との数値を比較して大きく変化した項目があったら要注意です

〇家族歴を考慮しましょう

→親族の人に何か病気があったら、その病気の素因を持っている可能性もあるので、その病気に関連する項目の数値が上昇したときは医師に相談しましょう

〇検査結果は素直に受け止め、再検査を受けましょう

→心配で再検査を受けなかったり、自己判断で放置するのでは、検査の意味がなくなってしまいます

→病気の兆候となる症状が出たときに「この間の健診で問題がなかったから」と病院を受診しないと病気を悪化させてしまうことになりかねません。健診でわかることの限界を正しく理解することも重要です

③生活習慣病とメタボリックシンドローム

日本人の死因の半数以上が悪性新生物(がん)や心疾患・脳血管疾患といった生活習慣病が原因で起こるものであることはご存じの方も多いと思います。また国民医療費の約3分の1が生活習慣病で占められているといいます。

こんな身近で誰にでも起こり得る生活習慣病を発症前に防ぎ、生活習慣を改善する意識をもつことも健診の大事な目的の一つです。

ここからは生活習慣病とメタボリックシンドロームについて解説するとともに、メタボ脱出のための対策を見ていきましょう。

 

〈メタボリックシンドロームとは〉

内臓脂肪による肥満の人が「糖尿病」「高血圧」「脂質異常症」といった生活習慣病になる危険因子を併せ持っている状態のことです。

〈メタボリックシンドロームの診断基準〉

①腹囲:男性85㎝以上、女性90㎝以上である

②①に該当し、かつ次の3つのうち2つ以上該当する

高血圧:収縮期血圧130㎜Hg以上 または 拡張期血圧85㎜Hg以上

高血糖:空腹時血糖値110㎎/㎗以上 または HbA1c6.0%以上

脂質異常:中性脂肪150㎎/㎗以上 または HDLコレステロール40㎎/㎗未満

〈生活習慣病の進行〉

次に生活習慣がどのように病気を引き起こしてしまうのか解説します。

 

〇生活の悪習慣

 

 

「食べすぎ・飲みすぎ」「運動不足」

「喫煙」「睡眠不足」が続く

 

 

⇒〇「内臓脂肪」のたまりすぎにより問題が発生

・高血糖を起こす ・血圧を上げる ・血栓を作りやすくなる ・善玉コレステロールが減る

⇒〇メタボリックシンドロームとなり、血管が傷ついていき自覚症状なく「動脈硬化」などが進行

(この段階で気づけばまだ予防できます)

⇒〇動脈硬化が進行し重症化、命に関わる深刻な病気を発症

(心臓病・脳卒中・糖尿病合併症)

※動脈硬化とは・・・血管壁にコレステロールがたまって狭くなり、血液の流れが悪く詰まったり、硬く破れやすくなったりする状態です

 

〈「内臓脂肪」を減らすには〉

内臓脂肪が蓄積する原因は「過栄養」と「運動不足」です。内臓脂肪はたまりやすく、分解されやすい脂肪です。

このことから、食事で摂りすぎのエネルギーを減らす、運動で消費するエネルギーを増やすことをバランスよく取り入れることが効果的です。

体重を約3%減らすと腹囲や体型だけでなく、内臓脂肪が減って血糖・脂質などの検査データが改善されてきます。

目安にしてみてください。

〈メタボに効果のある生活習慣〉

「食行動の改善」「活動量の増加」「ストレスの解消」の3本柱で具体例を紹介します。

当たり前のことが多いですが実践するのはなかなか難しいものです。

①食行動の改善

・1日3食バランスよく食べましょう

・よく噛んで姿勢をよくして食べましょう(食べすぎ・消化不良を防ぎます)

・野菜を350g以上食べましょう(先に食べると血糖値の急激な上昇を抑え、吸収を抑制します)

・朝食を摂り、夜8時以降は食べ物を口にしないようにしましょう(脂肪をため込みやすい時間帯です)

・毎日1回以上魚を食べましょう(質の良い脂肪をとることで動脈硬化の防止につながります)

・お菓子やアルコールは1日の総カロリーの1割以下を目安にしましょう(男性250kcal、女性200kcal

②活動量の増加

・徒歩または自転車で通勤・買い物をしましょう

・車や電車利用の時は少し遠くに駐車する、一駅手前で下車して歩くなどしてみましょう

・エレベーター・エスカレーターを使わず階段を使いましょう

・テレビを見ながら筋トレ・ストレッチをしましょう

・「+10分」体を動かすように心がけましょう

③ストレスの解消

・温かい飲み物をゆっくり飲みましょう

・お風呂にゆっく浸かりましょう

・スポーツ観戦、音楽鑑賞、カラオケ、山登りなどの趣味を持ちましょう

 

(参考文献等:矢冨裕、野田光彦編著『最新 健康診断と検査がすべてわかる本』 /
公益財団法人SBS静岡健康増進センター編「どうして怖いの?メタボリックシンドローム」)

 

みなさんの健康目標は決まりましたか。

健康情報があふれ、耳にする健康用語も増えましたが、本当に自分にとって必要なものは何か、健診結果をよくよむとわかってくるのではないかと思います。

次回は検査項目の中でもみなさんの関心が高い「コレステロール」について詳しくみていきたいと思います。

 

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ことばのくすり⑦~“新年の決意”を英語の名言で

新しい年が始まりました。

今年も株式会社ミックと弊社店舗をよろしくおねがいいたします。

2020年は何といっても東京オリンピックイヤーです。

世界中からたくさんの人々がこの日本に集まってきます。

日本の文化や良いところを発信するとともに、お迎えする私たちも世界の人々のことを理解していけたらいいですね。

そこで今回は英語の名言の中で、新年の決意にも掲げられそうな勇気の出る言葉や含蓄のあることわざをご紹介していきたいと思います。

 

まずはオリンピックを目指すアスリートたちにもぴったりのこの言葉です。

 

 

『 Where  there’s  a  will,  there’s a  way. 』

(意志あるところに道あり)

不可能と思えるような挑戦も、強い意志のもとでは助けてくれる人が現れたり、自分の中に眠っていた力がフルに発揮されたりしてやり遂げられたりするものです。一見挫折と思えることも後から振り返ってみると、なるほどこれを身につけるための道だったのだなと気づくこともあります。

オリンピックやパラリンピックに出場する選手たちの姿やここまでの道のりを知って励まされることが、今年はたくさんあるのでしょうね。

 

 

『 Be  a  first  rate  version  of  yourself,  not  a  second  rate  version  of  someone  else. 』

(ほかの誰でもなく、自分自身の最高を目指すべきだ)

ジュディー・ガーランド(俳優)

オリンピックでは世界の頂点を目指して選手たちはたたかうわけですが、私たちは金メダルの選手にだけ心を動かされるわけではありません。“自分自身の最高”を見せつけられたとき、心が震えたり、忘れられない記憶になったりするのです。

私たちも“自分自身の最高”を生きていきたいものです。

 

 

『 You  never  know  what  you  can  do  till  you  try. 』

(自分に何ができるか、やってみるまではわからない。)

大人になって年を重ねるごとに弱まっていく気持ちであるかもしれません。年を重ねると「できないこと」の経験は増えていきますが、一方「できること」の経験も増えているはずです。まったく新しいことに挑戦するのは少し怖くても、「できること」の経験を足がかりにして少し背伸びしてみるのはどうでしょうか。

できないかもしれない、でも「できるかも」しれないのです。

その先にはきっとわくわくする日々が待っています。

 

 

『 A  rolling  stone  gethers  no  moss. 』

(転石苔を生ぜず)

2つの解釈があることわざです。

イギリスでは「職業や住居を変えてばかりいる人は地位も財産もできない」という意味、

アメリカでは「常に活動的な人は時代に取り残されることがない」という意味で使われ、国民性が表れています。

このことわざから生まれた名前を冠するイギリスの有名なロックバンドは半世紀以上活動を続けていて、「英国的な忍耐力と米国的な変革力をバランスよく兼ね備えているからだ」と評されています。

どっしりとした石も転がり続ける石もいろいろあってよいし、いろんな見方ができるのだなと感じさせてくれる言葉です。

 

 

『 Don’t  eat  soon  after  being  angry.

Don’t  get  angry  after  eating.

Don’t  eat  when  you’re  anxious.

Don’t  get  anxious  after  eating. 』

(怒の後、早く食すべからず。食後、怒るべからず。憂ひて食すべからず。食して憂ふべからず。)

貝原益軒(儒学者)

新年の決意はやはり健康のことかなという方に、『養生訓』の作者、貝原益軒先生の言葉はいかがでしょうか。

怒ったり憂うつな気分のまま食事を摂っても栄養になりませんよ、「食」を大切にして楽しみましょうという言葉です。

「食」に限らず運動も睡眠も、頭を空っぽにしてこれらの時間を過ごすことは、どんな健康法にも勝るのかもしれません。

 

 

『 You  are  not  only  responsible  for  what  you  say,  but  also  for  what  you  do  not  say. 』

(人は自分が言うことだけでなく、自分が言わないことに対しても責任を持たねばならない。)

マルティン・ルター(神学者)

自分の行動目標を掲げよう、という方もいらっしゃるかもしれません。

たとえば「自分の言動に責任を持つ」ことは大人として大切なことですが、たいていは「何を言うか」「何をするか」ということに目が行きがちです。しかし「言わない」「何もしない」ということも立派な意思表示なのではないでしょうか。その理由が面倒だから、というのはありがちですが、それは問題を放置する、無視するということにつながりかねません。「言わない」「何もしない」ことも「言う」「行動する」ことと同じくらいの重みがあると各々が自覚すれば、世の中が少し良くなっていくのかもしれません。

 

最後に、迷いや不安を抱えている方へゲーテの言葉を贈ります。

 

 

 

『 Just  trust  yourself,  then  you  will  know  how  to  live. 』

(自分を信頼せよ、そうすれば生き方がわかるだろう)

ゲーテ(作家・詩人)

迷ったとき信頼できる人の意見に耳を傾けることは大切です。自分の気づかなかったヒントを教えてもらえることもあります。けれど最終的に決断をくだすのは自分ですし、自分のことをいちばんよくわかっていて、自分にふさわしいもの、大切にしたいものに忠実なのは自分の心なのだと思います。

自信がないと思っていても、案外頼りになる、日々の生活の中で誰もがそんな自分と出会っているのではないでしょうか。

 

 

英語の名言には世界の人々の価値観や考えが込められていて味わいがあります。

気に入った言葉をひとつでも覚えておくと、外国の人と交流するときの話題になるかもしれません。

そんなふうに誰もが自分の世界を広げていけるような一年になることを祈ります。

 

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