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“待ちわびる”楽しみ~ドイツのクリスマス

日本にクリスマスが定着してずい分たちますが、もともとの文化としてクリスマスを祝う人々のクリスマスの過ごし方はあまり知られていないのではないでしょうか。

今回はクリスマスマーケットで有名なドイツのクリスマスをご案内したいと思います。

本場のクリスマスを旅する気分でお楽しみください。

○クリスマスの期間

クリスマスはキリストの降誕を祝うお祭りですが、本当のところキリストが生まれた日は聖書には書かれていません。

12月25日をキリストの降誕の日と決めたのは4世紀のローマ帝国です。当時ローマ帝国では太陽神が信仰されており、冬至を過ぎて明るい時間が長くなっていく12月25日は太陽神の祭りの時期。それをキリスト教が取り込んでいったとされています。(日本にも、冬至を境に運も向いてくるという「一陽来復」という言葉があり、発想が近いかもしれません)

今ではヨーロッパの多くの国が12月25日・26日をクリスマスの祝日と定めていて、東方の三博士がキリストの元にたどり着いたといわれる1月6日をもってクリスマスの全期間は終了となります。

○アドヴェントとは?

クリスマスを心待ちにして準備する期間のことで、約4週間もあります。11月27日~12月3日の間にある日曜日を第1アドヴェントと呼び、その日から始まります。

アドヴェントの間、街ではクリスマスのデコレーショングッズが売られ、ツリー用のもみの木マーケットが立ち、家庭ではアドヴェントとクリスマスに食べる焼き菓子を大量に焼きはじめます。

クリスマスマーケットもだいたい11月25日頃からオープンします。ちょうどその頃は冬至に向けてどんどん日が短くなり、心が沈みがちなドイツの人々にとっては光あふれるクリスマスマーケットが心から楽しみな時間なのです。

 

○クリスマスマーケットとは?

ツリーやイルミネーションで彩られた場所に、クリスマスグッズやギフト、食品を売る屋台が並び、温かい食べ物や飲み物もその場で楽しむことのできるマーケットです。日本の縁日と物産展を合わせたようなにぎやかで地方色を感じられるお祭りのようなかんじです。

開催期間は11月25日頃~12月24日頃までが標準的で、12月25日にはほとんどのマーケットが終わってしまいます。

ヨーロッパの人々にとってのクリスマスは、日本でいえばお正月のような存在-家族で静かにゆっくり過ごすもので、それに備えるためのマーケットなのです。

  

マーケットはプレゼントを探す人や楽しいひとときを求めるファミリー、観光客でにぎわいます。日が暮れると会場の明かりが灯って美しくなりさらに人々が集まります。バーに行く代わりに屋台で温かいグリューヴァインを飲む人もいます。

 

○クリスマスマーケットの楽しみ方

クリッペ・・・人形などを用いてキリスト降誕シーンを表現したもののことで、クリスマスマーケットでは必ずどこかで見つかります。

ステージイベント・・・市民が主役のコーラス・ブラスバンド演奏・劇などが行われています。子どもたちによる讃美歌は感動するそうです。

アトラクション・・・ロマンティックなカルーセル(回転木馬)や観覧車、スケートリンクや本格的な絶叫マシンを設置しているところもあります。

屋台・・・会場の美しいデコレーションを眺めたり買い物をしたりぶらぶら歩いて身体が冷えてきたら温かい食べ物や飲み物で暖をとります。

屋台の種類

①クリスマスグッズ・ギフト商品・防寒用品・食品の屋台

クルミ割り人形やオーナメント、キャンドルなどの雑貨が勢ぞろい。長い歴史と郷土色をもったものが多く、ドイツの手工芸職人文化がうかがえます。

   

②その場で食べるフードの屋台

温かいもの(ソーセージなど)とクリスマス焼き菓子(レープクーヘンやシュトレンなど)があります。

最近日本でも売られている「シュトレン」は、ナッツ・ドライフルーツたっぷりの贅沢なクリスマス焼き菓子で、イースト入りの生地でケーキというよりはパンに近い食感です。

③その場で飲むドリンクの屋台

定番は温かい「グリューヴァイン」。

赤ワインにスパイスを入れて温めたものが伝統的ですが、さまざまな風味のものが増えています。

他に珍しいのは「アイアープンシュ」。

卵のリキュールにワインやバニラを加えた甘いホットドリンク。ホイップした生クリームを添えます。(アルコール度数は8~10%程度)

○カップは持ち帰れる!?

屋台で飲み物を注文すると、飲み物の料金以外に2~3ユーロのカップ保証金も一緒に払います。

カップは各マーケットのオリジナルで年によって変わることもあります。欲しければ持ち帰れますし、保証金分のお金できれいなものを買えます。

 

○クリスマスマーケットの歴史

中世から続くドイツの街には共通している構造があります。街の中心に広場があり、そこに面して教会や市庁舎が立ち、井戸(泉)があるというもの。

広場は中世の人々にとって生活の中心的存在でした。その広場にクリスマスマーケットの屋台が立つようになったのは14世紀からです。1310年にはミュンヘンで開かれたという記録が残っています。

屋台にはクリスマスを迎えるために必要なものが並び、ナッツや焼き菓子なども売られていました。

プレゼントを贈り合う習慣はなく、貧しい人々にクリスマスを祝えるように施しを与える程度でした。

 

○サンタクロースとクリストキント

ドイツではクリスマスにプレゼントを持ってくる人が2人います。

私たちになじみのあるサンタクロースのモデルは、12月6日に子どもたちにプレゼントを配る実在の司教だった聖ニコラウスです。

ところが1535年頃、宗教改革の創始者であるマルティン・ルターが聖ニコラウスの日を廃止し「クリスマスにキリストがプレゼントを持ってくる」と説きました。それ以来、ドイツのプロテスタントの家庭(ルターは従来のカトリックに対してプロテスタントを生み出しました)では、クリスマスに子どもの姿のキリスト、「クリストキント」がプレゼントをくれる風習になります。

 

 

 

←クリストキント

金色の巻き毛、白と金色の衣装の天使姿です。本来なら男の子のはずですが、女の子として描かれます

 

 

 

しかしオランダでは聖ニコラウスが残り、それがアメリカに渡り、1932年にアメリカのコカ・コーラ社が現在のようなサンタを広告に登場させ、世界中に広まりました。

それが再びドイツへ輸入され、その後ドイツのプロテスタントの家庭でも贈り物をくれるのはサンタになったのです。(カトリックの家庭ではクリストキントがまだ役割を担っています)

今でもニュルンベルクのクリスマスマーケットには、冠を頭に戴き金色の衣装をまとった天使姿のクリストキントが登場し、幼稚園や病院も訪問するそうです。

 

○クリスマスの過ごし方

12月24日:会社もお店もお昼過ぎには終わり、帰省ラッシュが始まります。

クリスマスツリーの飾りつけは必ず24日に行い、家族同士が交換するためのプレゼントをツリーの根元に置いておきます。

教会では1日に何回も礼拝が行われます。

夕食はソーセージにサラダ程度ですませ、夕食後はプレゼント交換をします。

 

 

 

 

12月25日:第1クリスマスの日。家族水いらずで穏やかに温かく過ごす日です。クリスマスディナーをいただきます。

25日・26日は街は1年のうちでいちばん静かな2日間です。

 

 

 

 

12月26日:第2クリスマスの日。日本のお正月の2日目、3日目とよく似ています。親戚同士で集まり、家に届いたクリスマスカードを読みます。お墓参りに行く人もいます。

夜からは再び都会へ戻る人々の帰省ラッシュ、27日からは平日に戻ります。

 

(参考文献:久保田由希著『きらめくドイツクリスマスマーケットの旅』)

 

ドイツのクリスマスはいかがでしたか。

日本に独特なお正月の過ごし方があるように、ドイツのクリスマスにも数百年にわたる人々の想いや願いのつまった素敵な過ごし方があるようです。

このように血の通った他国の文化を知ることは単純に楽しいですし、自分の国の文化にも目を向け大切にすることにもつながっていくのではないでしょうか。

 

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