新緑の季節、みなさんは自然の中でゆっくり過ごす時間を楽しまれたでしょうか。
今回は自然にまつわる名言をご紹介しながら、心のストレッチをしてみたいと思います。
まずは道端の草花に目を向けてみましょう。
『「正しいクローバー」は三つ葉ですが、僕らは「へんなクローバー」のはずの四つ葉を
幸運の印として愛します。』 松浦弥太郎(作家・書籍商)
人間の世界では何にでも「正しいかたち」や「こうあるべき」というものがつきまといがちです。
だから、多様性を肯定してくれる言葉がやわらかく響くのかもしれません。
(植物の世界は多様性そのものです)
『いつか草が風に揺れるのを見て弱さを思った
今日 草が風に揺れるのを見て強さを知った』 星野富弘(詩人)
これは脊髄損傷後、口に筆をくわえて文や絵をかき続けていらっしゃる星野さんの言葉です。
ながめる人のこころもちによって植物たちの姿は様々なことを教えてくれます。
そのいつも変わらない、たくましい営みによって。
『堅い木は折れる。』 (日本の格言)
とても短い言葉ですが、含蓄のある言葉です。
日頃頑健な人が急に大病にかかってたおれたりする、という意味で使われます。
心も身体もポキッと折れないように、やわらかくしなやかにありたいものです。
『自分が弱いところでは戦わない。しかし、自分の強みが発揮できるところでは、しっかりと戦っている。要は、「どこで勝負するか」ということなのだ。』
稲垣栄洋(雑草学者)
雑草を専門に研究されている稲垣先生の言葉です。
雑草たちは生き残るために、他の草花が嫌がるような過酷な環境(乾燥地・高地・人に踏まれやすいところなど)をあえて選んで適応するのだそうです。
生きるためのエネルギーの使い方、「強さ」について考えさせられます。
『自然の春・夏・秋・冬は人の喜・怒・哀・楽に当る
もし自然の四季を楽しんでやすらぐなら心の四つの変化も同じように楽しめるだろう』
加島祥造(詩人・画家)
日本には四つの季節があります。その移り変わりに伴う楽しみも大変さも存分に味わっている日本人だからこそわかる言葉のように感じます。
季節を味わうように感情を味わう、そんなふうにとらえるとどの感情もわけへだてなく自然に受け入れられそうな気がします。
最後は、自然とともに生きるインディアンの言葉です。
『大地は人間のものではない。
人間こそが大地のものなのだ。』 族長シアトル(ネイティブ・アメリカン)
スケールの大きな言葉です。
環境を破壊して地球を困らせている私たちがまるでいたずらっこのように思えてきます。
こんな私たちでも他の植物や動物たちと同じように大地は受け入れてくれているのだなあというあたたかいきもちになります。
自然が教えてくれることに気づくためには、ちょっと立ち止まって小さな声に耳をすませる心の余裕が必要です。
いつもそこにあって、静かに力強く生きている生命に目を向けることができたら
「自然とともに生きる」という感覚が少しわかるのかもしれません。
ワークステーション静岡 T