今やスマートフォンは便利すぎて片時も手放せない、という方も多いのではないでしょうか。
しかし一方で、スマホやインターネットに依存するあまり、視力の低下、肩こりや腰痛のほかに自律神経やメンタル面の不調(睡眠障害、食欲不振、意欲の低下、うつ状態など)まで訴える人が増加しているそうです。「ネット依存症」専門外来をおく病院まであるそうです。
特にSNS依存は「他者からの承認を頻繁に求めてしまう」という特徴があり、無意識のうちに周囲に自分を合わせようとする同調性が強い日本人にとって問題となりやすいようです。
上記のような症状がなくても、押し寄せてくる膨大なメールや情報の波に対して「ちょっと疲れたな」と感じている人たちに必要なものが「デジタルデトックス」です。
「デジタルデトックス」とは、ネットやスマホから少し距離を置いて、ネットやスマホに「使われる」のではなく「使いたいときに使う」ことができる関係を取り戻そう、ということです。
そうはいっても、依存しやすい環境にあることを理解した上で上手に付き合えば、ネットもスマホも大変便利であるので、まずはメリットとデメリットを簡単にまとめてみます。
〈ネットを使うメリット〉
・知りたいことをすぐに検索できる
・見たい動画をいつでも見ることができる
・オンライン上にいる人とすぐに連絡をとることができる
・リアルタイムの出来事をいち早く知ることができる
・多くの人の反応を知ることができる
〈ネットを使うデメリット〉
・次々と関連情報が表示され、際限なく見てしまう
・メッセージが入るため、集中が途切れてしまう
・姿勢が悪くなり目が疲れる
・人からどう思われているか気にしすぎてしまう傾向を強めることがある
これらを踏まえて、デジタルデトックスの具体例を「スマホ編」「行動・習慣編」にわけてご紹介したいと思います。
〈スマホ編〉
○スマホをズボンのポケットに入れないようにする
→ちょっとした空き時間につい手が伸びてしまうので、電話に気づけるが必要なとき以外は触りにくい場所に入れておく
○スマホのアラームで起きるのをやめる
→一日がスマホを触ることでスタートすることをやめるため、目覚まし時計を使って起きる
○スマホよりも魅力的な趣味を作る
→時間のやりくりをしようとすることでスマホの利用時間が減る
○スマホ禁止の食事会・飲み会を開く
→スマホを手放すことでコミュニケーションに集中できる
○SNSアプリを1つやめてみる
→使うものと使わないものをはっきりさせて、アカウントを整理するだけで利用時間を抑えられる
〈行動・習慣編〉
①ネットを通して行っていたことをほかの行動に置き換えてみる。
・SNSでやりとりしている人に実際に会いにいく
・SNSやネットゲームの時間を身体を動かす時間にしてみる
・レビューや口コミを見ずにふらりと見知らぬレストランに入ってみる
オフラインならではの楽しみを発見することができるかもしれません。
②アナログメディアに接する習慣をとり入れてみる。
ネットニュースでは自分が欲しい情報や似た傾向の記事に偏りがちですが、
紙の新聞に目を通すと、ネットには出ていない地域の話題や、小さいけれど興味深い記事に出会うことができます。
また、ネットに慣れると長い文章を読むのが億劫になり、「行間を読む」想像力が弱くなったと感じている人もいるといいます。「情報摂取」ではなく「読書体験」の楽しみを忘れてしまうのはもったいないと思います。
③ネット環境を離れて学んだり仕事をしたりしてみる
検索すればすぐ答えが出てくる世界に浸っていると、長い時間をかけて五感で感じて学び、身に付けていく感覚が鈍っていくものです。
人の心に残ったり、自分の中に残っていくリアルなものに出会いたい、と感じて行動する人が最近増えてきているようです。
スマホで音楽を聞いたり道を検索したりしないで「ただ街を歩いてみる」だけでも、新たな店や風景を発見できたり、パソコンの前で座っているよりもひらめきや思考の流れが能動的になるのではないでしょうか。
④意識的にオフラインの時間をもつ
ネット・スマホを家に置いて、情報や他人の評価から自由になり休日を過ごす「デジタルホリデー」を楽しむ人もいるようです。
(参考文献:米田智彦著『デジタルデトックスのすすめ』/ Tarzan 2019年2月14日号『スマホ依存要注意!デジタルデトックスを上手に取り入れよう。』)
ネットやスマホに接していると、知らず知らずのうちに大量の情報にさらされて脳がかなり疲労しているのだといいます。自覚症状がある方もそうでない方も、オンライン・オフラインをうまく使い分けてバランスのとれた快適な生活を送っていただきたいと思います。
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