長い連休も終わり、新生活が軌道にのってきたころだと思います。
みなさん、体調や気分に変化はありませんか?
最近カゼをひきやすい、注意力が不足している、ゆううつな気分が続いている・・・という方は、もしかしたら「新型栄養失調」が原因かもしれません。
今回は現代日本の食生活の問題点でもある「新型栄養失調」を見ていきたいと思います。
「新型栄養失調」とは、摂取カロリーは足りているのに栄養が不足し心身の調子をくずすことです。
これには私たちの食生活のスタイルが大きく関わっています。
年代別に問題点を探っていきたいと思います。
○高齢者の食生活
高齢者はやわらかいもの、さっぱりしたもので食事を済ませがちであり、肉や魚をほとんど摂らないという方もいるようです。また、買い物に出ることが辛かったり料理をしなくなったりして、食事も偏りがちです。
タンパク質を中心に全体的に栄養が不足しがちです。
○若い女性の食生活
食事制限やダイエットのために1日をとおしてスムージーや野菜サラダのみ、という方もいるようです。
タンパク質とミネラルが不足しがちです。
○30~50代の男性の食生活
忙しい仕事の合間にコンビニのおにぎりのみ、単品の丼物など、手軽にカロリーを摂れる食事に偏りがちです。
野菜不足で、ビタミン・ミネラルが不足しがちです。
それでは、このような食生活をふまえて、日本人に特に不足している栄養素について見ていきましょう。
○タンパク質
筋肉・臓器・免疫細胞・赤血球中のヘモグロビンなどをつくる材料です。
不足すると感染症や貧血などが起こります。
いろいろな種類の肉や魚、卵、豆類などを食べるようにすることが大切です。
○ミネラル(特にカルシウム、マグネシウム)
カルシウムは骨を作り、マグネシウムはブドウ糖からエネルギーを作るのに必要であり、どちらも日々の活動を支える栄養素です。
マグネシウムは玄米に多く含まれていて、日本人の主食の変化により不足するようになったようです。
カルシウム不足は骨粗しょう症、マグネシウム不足は狭心症や心筋梗塞のリスクを高めるといわれています。
どちらも魚や野菜、果物、豆類に多く含まれます。
○ビタミン(特にビタミンA、ビタミンB1)
ビタミンAは視覚の正常化、皮膚粘膜の健康維持に働きます。
緑黄色野菜や豚・鶏のレバーに含まれます。
ビタミンB1は炭水化物をエネルギーに変えるのに必要であり、脳や神経の機能維持の働きもあります。
豚肉や大豆、玄米などに含まれます。
最後に、新型栄養失調の対策をまとめてみます。
キーワードは「バランス」です。
・なるべく1日3食、炭水化物だけでなくタンパク質、野菜、フルーツも意識して食べるようにしましょう。主食・主菜・副菜をセットにした定食は理想的です。
・バランスよく栄養をとるために
「多様な食品」・・・たとえば肉・魚は種類によって含まれるタンパク質や油脂の性質が異なるので、いろいろな肉・魚を食べることが大切です。また、動物性食品と植物性食品もバランスよく食べることが大切です。
「多様な調理方法」・・・たとえば生、炒める、煮るなどの方法によって栄養素の吸収率が高まったり、反対に失われたりします。いろいろな調理方法の料理を食べ、バランスをとりましょう。
「手作りと外食・加工食品を組み合わせる」・・・手間と費用も考えながら加工食品やサプリメントなども上手に活用して、バランスのよい食生活を作っていきましょう。
(参考文献『プレジデント 2016年9月12日号』『Mart 2016年4月号』/ 参考HP『OMRON Vol.171 新型栄養失調って何?』)
食生活を変えることはなかなか大変ですが、栄養不足によって体の不調だけでなく心の不調も引き起こされることが知られてきています。
自分に足りない栄養素を意識して補うことが大切です。
また、ついつい同じものを食べてしまいがちですが、少し冒険をして楽しみながら多様な食べ物に挑戦してみることは健康にも良いといえそうです。
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