静かにひっそりとたたずむ木々―
落ち葉の上に落ちている枝の1本1本にも個性があるということを、
私は“ゴールディー”に教えてもらいました。

『ゴールディーのお人形』より一場面を描いてみました。
ゴールディーは自分の手で集めてきた木を彫って人形を作る仕事をしています。
ゴールディーの作る人形はだれもが欲しくなるようなかわいらしい笑顔をしています。
ある日、自分の人形を置いてもらっている店で、「今まで見たことのあるものの中でいちばん美しいもの」―中国の陶磁器のランプに出会ってしまいます。
それはゴールディー人形27個分の値段が付けられているのですが、彼女は迷わず買って持ち帰ります。
しかし、いつも彼女のこだわった仕事ぶりを応援している友人でもこれに対しては「理解できない」と言うのです。
「美しい」と感じて価値を見出す基準は人それぞれで、そこが人の面白いところであり、多種多様な「美しいもの」が生み出され続ける理由なのだと思います。
ゴールディーは言います、
『ここには私が仕事に使う小さなナイフと、ランプとお茶があって、ベッドと作業台と材料の木があって、私はここで、会ったことのない友だちのために、小さな木の人形を作るの。』
作ることの“喜び”が
自分の作るものを「良い」と感じてくれる人に届いたなら、
“幸せ”に変わるのだと思います。
静岡事務所 T