静岡事務所の入っているビルを見上げた1枚の写真
―ビルの間に切り取られた空を見ていたら、ある絵本のお話を思い出しました。
絵描きのサルくんの仕事は「空をつくる」こと。
街の動物たちの「もっと」たくさん、「もっと」大きく、という願いを反映して、
街はどんどん高くのびていって、とうとう空が見えない、光の届かない場所になってしまったのです。
そこで、「家の壁に空を描いて」というみんなの注文がくるようになり、
「空をつくる」仕事を始めたサルくんでしたが・・・。
←『空をつくる』(村尾亘さく)の一場面を描いてみました
みんなを喜ばせるために絵を描いているつもりが、
『空をつくるなんてこと、してよかったのかな』―サルくんは疑問を持ち始めるのです。
このビルの写真の中の空は、狭いながらも表情があって、
写っていない部分に向かってのびのびと広がっているんだろうな、と想像もでき、
実際そうであることを知っています。
空がなくなる、なんてこと想像もできません。
この写真と絵本のおかげで、
何気なくそこにあるものの存在の大切さを考えさせられました。
また、「人に喜んでもらうこと」だけを盲目的に追求することは、
何かを見落としていることがあるのかもしれない、と教えられた気がします。
「空」を見上げることは、限りないインスピレーションをくれます。
迷ったら「空」にきいてみるのもいいかもしれません。
静岡事務所 T